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第4回 チャットボット

チャットボット

前回は「機械学習」の方法のうち、回帰について話をしました。専門的な内容になってしまったので、今回は少し身近なところで話をします。

みなさんは「チャットボット」いという言葉を聞いたことがありますか?これは造語で、チャットとボット(ロボット)を組み合わせた言葉といわれています。チャットは皆さんもよく使っていると思います。友達と話しをしたり、親と連絡を取ったり、部活の案内がきたり、と送信側と受信側ともに人間がチャットをしている状態です。チャットボットは…なんとなく想像できますよね。片側がロボットで、人間とロボットがチャットをしている状態です。

調べてみるとチャットボットの歴史は意外と古く、第1回でAIの歴史について触れましたが、第一次ブームには開発がおこなわれていたとか。1966年に「ELIZA(イライザ)」が誕生し、その後チャットボットは発展してきました。チャットボットは人間が入力した文字を元に返信してくれるのですが、文字や単語は認識できるけど文章になったら理解できなかったり、会話が成り立たなかったりで、これまでは単純なやりとりしかできませんでした。

しかし現在ではAIスピーカに代表されるように、スケジュールを確認すれば答えてくれたり、分からないことをたずねるとネットで調べて答えてくれたり、商品の注文をしてくれたりと従来の会話だけではなく、外部環境と連携をとって生活をサポートしてくれるようになりました。

AIスピーカー

では現在のようなチャットボットはどのような技術からできているのでしょうか。文字を判断するための文字認識技術、音声を判断するための音声認識技術、文章を理解するための単語認識・文節認識技術、文章から適切な回答を選んでくる技術、外部の情報を収集する技術などがあります。このなかでも4番目の「文章から適切な回答を選んでくる」技術でAIが最大限に利用されています。これは第3回で話をした機械学習のなかでも「深層学習」の発展が大きく、近年「深層学習」は急激に研究が進んでいます。これについては次回以降に話をしたいと思います。

もちろんAIスピーカのほかにもユーザが企業にネット上で問い合わせる場面でもチャットボットが導入されつつあります。これにより企業側はユーザ対応の人員を配置しなくてもよくなり、人件費が削減できます。ユーザ側も一度に大人数がアクセスしても待ち時間が少なくなり、ストレスが減ります。このように企業側・ユーザ側の両方に利点が生まれます。

今回はチャットボットを例に話をしました。このようにAI技術は我々の生活を便利にし、より快適な世界へと導いてくれています。


「YSeye15号」掲載