第1回 AIの歴史
最近「AI」という言葉をよく耳にしますね。AIは人工知能であることを知っていると思います。人工知能の英語、Artificial Intelligenceの頭文字をとったものです。では人工知能って何でしょう?実は厳密な定義は存在していません。AIの研究者によって定義が異なります。しかし一般的には「コンピュータ上で人間の脳を模擬したもの」と考えられています。この考え方は昔から存在していました。アニメや映画に出てくるロボットが代表的なものです。それでは、なぜ今、AIが注目されているのでしょうか。AIの歴史を振り返ってみましょう。
◎第一次ブーム 1950年代後半~1960年代
コンピュータによる「推論」や「探索」が可能。特定の問題に対して解の提示。
単純な仮説問題は解けたが、複雑な問題は解けないことが明らかになり下火に。
◎第二次ブーム 1980年代
「知識」(データ)を与えることで実用的な専門システムとして稼動。
人による大量のデータ入力が必要だったため下火に。
◎第三次ブーム 2000年代~現在
大量のデータからAI自身で知識を獲得する技術が実用化。
現在は第三次ブームですね。歴史をおおまかに紹介しましたが、各ブームで多くの技術が発展してきました。人工知能というだけあって、人間の脳をモデルにしたニューラルネットワーク(NN)や人類の進化をモデルにした遺伝的アルゴリズム(GA)というものもあります。このような技術を元に現在は「深層学習(ディーブラーニング)」という技術が主役になっています。この言葉は聞いたことありますか?現在のAIには欠かすことのできない技術です。これらの技術については次回以降に紹介します。
この深層学習の技術によって、囲碁で機械が人間に勝利したり、動物を認識したり、自動運転をしたり、と遠い世界(研究の世界)の出来事ではなく、私たちの身近な出来事になってきたので、AIが注目されているのでしょう。
※出展:人工知能(AI)研究の歴史, 情報通信白書平成28年度版(総務省)(2016)
「YSeye12号」掲載