2012年11月14日から11月16日にかけて、みなとみらいのパシフィコ横浜で組込み総合技術展(ET2012)が開催されました。
今年の特徴は、これまでの個別要素技術の展示会から一歩進んで、組込み技術を応用するサービス分野として次の6つを掲げた講演・展示会になっていました。
農業や水産業への応用を考えた展示も目につき、IPv6で全ての機械が何でもネットにつながるスマート社会が身近なところに来ていることを感じました。
人間同士(H2H)がメールでつながったことに感動していた10数年前、
人間と機械(H2M)がネットでつながり始めたここ数年のスマートフォン時代、
機械と機械(M2M)がつながって自律的に社会基盤を支えるようになるこれから・・・。
2年前、2010のYSE-MR科のテーマ「IT+ET+NT+RTの時代を担う人材」の時代がいよいよ本格化します。モノづくりとICTが好きな人にとっては面白いことが一杯出てきます。
そのために、昨年、2011のYSE―MR科のテーマは、「教育が変われば学びが変わる」でした。従来型の教育ではないYSE-MR科独特の学習スタイル「課題挑戦型プロジェクト教育」を提案し実践してまいりました。
その成果を紹介する今年、2012のYSE―MR科のテーマは、「どうせやるなら楽しんでしまおう」です。展示作品もパネルもデモンストレーションも、すべて学生作品と学生自身の実演です。YSE-MR科の人材開発の成果をご覧いただきました。ご覧頂いた複数の企業様から「彼らは本当に楽しんでやっていますね。だからYSEの学生は実力がついて伸びるし、そこが魅力的なんです。」など、いろいろとおほめの言葉をいただきました。
一番の出し物は、この春に入学したMR科1年生達が、8台のNXTに自律プログラムを組み込んで、パレードをさせました。3週間ほど前から取り組んできました。「コレが見たくて来たのに、終わってしまったの。残念見たかった・・・」という皆さま、ぜひご覧ください。最終日のYSEパレード動画at横浜パビリオンです。
以下学生達の声です。
準備日、パシフィコの会場設営作業の合間を縫って、現地調整。
そこそこうまくいっていたのですが、まだ完璧ではない。何かが足りない。学校に戻って手直し。まだまだ。もっともっと。自分達が納得できないものは人に見せられない。・・・気がつくと朝です。全員で徹夜になりました。でもやっと完成。これでよし!!みんな一度帰ってスーツに着替えて現地集合だよ。
初日。いよいよ出番です。不安と期待でドキドキです。いよいよスタート!。
・・・アッレッ・・・ナンデ・・・2台目以降が動かない・・・動いても隊列ばらばら、パレードにもなっていない、・・・悲鳴と冷や汗とが頭の中をかけめぐり目の前が真っ白に。ぼろぼろでした。あんなに練習し、うまくいっていたのに、見る影もなく、茫然自失でした。でもあれが今の僕たちの現実を表していました。見た目のまとまりは本物ではありませんでした。
すぐさま学校に引き返して反省会と原因究明。でも学校ではうまくいく。原因の1つは準備後に待機時間が長すぎてバッテリー電圧が下がっていた。そのほかにも思い当たることはいくつか。そういえば誰かが言っていたことで気になることがあったのに、めんどうくさくて無視した。何で気がついた時に声をかけあいもっと詰めなかったんだろう。
2日目。前日に比べればうんとまし。良くできたといってくださる方も。でも僕たちが納得できない。また学校に帰ってやり直し。もっと完成度を上げよう。現地で失敗するには原因があるはず。・・・気がつくと今日も終電。でも徹夜は免れた。
3日目。今日がラストチャンス。これでうまくいかなかったら僕らは何のために時間と労力を費やしたのかわからない。誰かのためではなく、自分達のために成功させたい!。これは僕たちのパレードだ!!
いよいよ横浜パビリオンでの最終日最終ステージ。「横浜システム工学院どうぞ・・・。」
うん。いいぞ。よしよし。でもあっ。くそっ。・・・・。えっなんでだよ。・・・
なんとか成功。良くやったという声ももらった。でも何か興奮した気持ちがおさまらない。
反省点ばっかしが見える。こんどはこうしようああしようが見える。悔しい。もっとできたはず。
というわけで、結局この日も学校に戻ってとことん反省会。先輩が言っていた「失敗して良かった。負けて学ぶことがある。」あの言葉の意味がいまなら分かる。
振り返ると、彼らにとって以下のこと
を、身をもって体験した3週間。特に会場設営の準備日からの4日間でした。
1) 企画・設計・・・ET2012でデモをさせてもらえる。どんなことをやろうか?
2) やることが決まったら、2人1組でソフト制作。1台ごとはOK。
3) ところが8台をシンクロさせるとなると、さぁ大変。全体を合わせることがこんなに大変とは思わなかった。
4) 1台1台のデバッグだけでなく、チーム全体でのパレードプログラムのデバッグが必要。
5) あらためてメンバー一人一人の意志とチーム全体での意志とを確認し合いすり合わせます。
6) 他人でも直せるようにわかりやすいコードを書くことの意義や、コーディング規約の必要性や、コードレビューの必要性が分かります。
7) ミーティングの必要性と重要さがようやく本当にわかります。
8) 一人は全体のため、全体は一人のためとはこういうことか。先輩たちが強いといわれていたのはこういうことだったのか・・・。
ブースにお立ち寄りいただいた皆様、ありがとうございました。
パレードをご見学いただいた皆様、ありがとうございました。
このような機会をご提供くださった皆様、ありがとうございました。
来年もまたお目にかかりたく思います。ぜひ、ご期待ください!!
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