2015年9月19日(土)神奈川工科大学でETロボコン南関東大会が開催されました。
今年はコースが従来のものとガラッと変わり、inコース、outコースという呼び方も、Lコース、Rコースという呼び方に変わりました。また、旧機体NXTと新機体EV3とが混在した競技でした。
出典:ETロボコン2015競技規約より
■デベロッパー部門プライマリークラス(2輪倒立ロボット)
組込みシステム開発、学習の入門、初級者を対象とし、技術の基礎を学びチャレンジする機会を提供するものです。規定の走行体(自律型ロボット)で指定されたコースを走行します。
■デベロッパー部門アドバンストクラス(3輪トライクロボット)
プライマリークラスの経験者および組込みシステム開発における応用学習者を対象とし、技術を応用できるスキルを磨く機会を提供するものです。規定の走行体(自律型ロボット)で指定されたコースを走行します。
■イノベータ―部門
デベロッパー部門の卒業者や組込みシステム開発の中級者を対象とするもので、製品・サービス全体の企画・開発にチャレンジする機会を提供するもので、指定されたコース内でシステム、サービスを自由に企画開発し、パフォーマンスとして披露します。
今年は、従来よりもソフト志向の学生が少なく、1チームしか編成できません。どの競技にしようか?・・・話し合ってみると、
・2輪倒立ロボットは長くやってきて、実績も出してきているので、やはり新型のトライクロボットに挑戦して、昨年度の先輩たちのリベンジをしたい。
・EV3の方が圧倒的にハードの性能がよさそうだが、ソフトウエアの開発環境がNXTに比べて劣るのではないか?ソフトウエアの開発環境に実績のあるNXTにしよう。
という理由で、デベロッパー部門アドバンストクラス(3輪トライクロボット)に出場を決めました。・・・4月です。
5月、6月は、メンバー全員就職活動に夢中でしたが、併行して、少しづつ要素技術を学んでいきました。何とか7月にはメンバー全員就職も決まり、8月のモデル提出に向けてスパートしていました。時々卒業した先輩達が指導に来てくださりありがたかったです。
モデル提出が終わった後は、ソフト開発に集中のはずでしたが・・・思うように実装が進まず、本番6週間前の試走会1はパスしましたが、本番2週間前の試走会2には間に合わせました。初めての試走会2で他チームを見ました。学生チームはYSEだけで、後は企業チーム。しかも富士ゼロックス、日立、パナソニック、アンリツなど優勝候補の強豪ばかりです。でも試走会ではあまりいい走りをされている様子がない・・・と学校に戻って先生に報告すると、試走会で企業チームはあまり手の内を見せないよ。その代り試走会2の後の2週間で見違えるように仕上げてくるよ。クワバラクワバラ。・・・と言われました。
自分たちは、難所攻略の精度を上げて、本番でトチらないようにするだけです。
今年は、徹夜もせず、余裕をもって本番を迎えました。出走順はトリです。
本番当日の午前中の試走では、Rコースは一発クリア。L字カーブも環状線も余裕です。Lコースは、仕様未確定難所の成功率が少し自信がないのと、二本橋にも不安がありました。
そこで、代替案を考え、そのために、残り時間は二本橋のクリアを完璧にしました。作年の先輩たちが、難所攻略の入り口にあったジャンプ台の穴でひっかかったり、こけたりして、肝心の難所攻略に行く前にリタイアになったので、今年は、万が一のために、走行チャンス2回の内の1回目が完走できないときには、2回目は難所を回避してでも完走させる代替案を用意しました。
デベロッパー部門アドバンスト部門Rコース走行
<YSEdesire15-Rコース全体俯瞰動画>
<YSEdesire15-Rコース近接動画>
長い直線は順調に走り切り、ヘアピンカーブを回って得意のフィギュアLと環状線なので、
行ける・・・と思った矢先、何でもないはずのところでコースアウトです。難所を1つもクリアできずリタイアしたので、リザルトタイムは120秒。せっかくアドバンスト部門でトリに選ばれていたのに、これでは合わす顔がありません。・・・無念。
Rコースが順調に行ければLコースは思いきって難所を全部攻略するチャレンジに入るつもりでしたが、これでは・・・・。魔物のせいにはしたくない。昨年の先輩たちは両方チャレンジして失敗したので、今年は代替案でいこうと腹を決めて、Lコースに臨みました。
デベロッパー部門アドバンスト部門Lコース走行
<YSEdesire15-Lコース全体俯瞰動画>
<YSEdesire15-Lコース近接動画>
長い直線は順調にクリア。ヘアピンカーブもクリアして、苦手だったニ本橋難所にかかります。直前に切替えたプログラムが成功してクリアしました。ゆっくりとバーコードにのっかります。使用未確定難所は回避して、バーコード上からここなら通れると見通しをつけておいたショートカットに直角ターン。会場から「アアー」という悲鳴。目の前で見ておられた審査員の方も残念そうな表情です。あろうことかビデオ撮影していた教頭まで、思わずカメラをそむけてしまい、肝心なところが撮れていない!!
ショートカット後にラインに復帰して、あとは一気にゴールめざして突っ走ります。用意していたガレージインも時間短縮のためにカットしました。こういうケースは想定外のようで、ゴールの声も旗も上がりません。画面上のタイムはどんどん加算されていきます。でもそこは、手動のタイムキーパがちゃんとストップウォッチを押されたようで、画面に表示された時間ではなく1分3秒5という結果でした。二本橋難所のボーナスタイム15秒を引くとリザルトタイムは48.5秒でした。Rコースの120秒と合わせて合計168.5秒は、2位のチームを7.1秒上回り、優勝でした。
ゼロヨン
ここ2年ほどは、本戦に集中するために封印されていた南関東名物「ゼロヨン最速王座決定戦」に出ました。久しぶりで腕が鳴ります。1,2を争いながらゴール・・・と思ったら、僕たちの機体は谷底へ落下、別のチームはゴール後転倒してしまいました。3秒前後の接戦です。ゼロヨンも練習では谷底落下はあり得なかった。練習ではRコースは完走できるはずだった。・・・コースの魔物のせいにはしたくない。
走行競技でようやく優勝。モデルでは過去に準優勝。今日はいっぱい来てくれた後輩たち(先輩達も)が、来年こそは僕らの夢(総合優勝とCS出場)を果たしてくれますように。
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