YSE BLOG

【モバイル・ロボット科】国立オリンピック記念青少年総合センターに、今年も飛行船舞う

2013年10月16日~18日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、情報処理学会組込みシステム研究会主催の組込みシステムシンポジウム(ESS2013)が開催されました。
その中のイベントとして、ESSロボットチャレンジ競技が行われました。今年からは文科省の大学院プロジェクトであるPEARL/enPiT-EMBと合同で行うことになり、PBL(Project Based Learning:プロジェクトベースドラーニング:課題解決型教育)で取り組むKobukiを使ったスマートモバイルロボット競技に切り替わりました。その競技会はすでに9/3に行われました。しかしながら何チームか飛行船を継続しているところがあり、10月のESSでは飛行船を飛ばすことができると知り、今回のデモ飛行の準備をしてきたわけです。
ちなみに、YSEのPBLは、課題挑戦型プロジェクト教育です。YSEはKobukiと飛行船を2つともやろうということで、塩澤、小杉、大木、吉田の4人が2人ずつサブグループになりYSE_Airship13は塩澤、小杉が中心で、YSE_Kobuki13は大木、吉田が中心になって開発してきました。
     Kobukiコンパルソリ競技優勝             飛行船は最終フライト終了
   
今回は、従来のプロペラをサーボモータを使って垂直・水平両用に使えるティルトローター方式(オスプレイ型というほうが分かりやすいと思います)の飛行船を開発しました。その結果、なかなかユニークな飛び方ができるようになり、昨年度のYSE_飛行船12の4番目のプロペラ方式よりもいい性能がコンスタントに出せるようになったと自負していたので、お披露目させていただける機会をいただけてありがたく思います。
  ティルトローター型(オスプレイ型)飛行船キャビン    長年使い続けて痛みの激しい飛行船エンベロープ
   
とはいえ、当日は台風26号のために開始時間が遅れ、予定されていた事前の飛行練習もないまま、ぶっつけ本番になってしまいました。しかも、プレゼンしてから飛行をと思っていたのですが、話の流れから、プレゼン途中でフライトが始まってしまいました。
それでも、斜め上昇離陸からホバリングや旋回を繰り返し、コースアウトからの帰還を含めて、最後の斜め下降着陸まで、やり直しなしの一発勝負で綺麗に決めることができました。大会始まって以来の見事な飛行でしたと褒められた時には、ここまでやってきたことが全て報われた気がして心底うれしかったです。
<動画>
       


コンテスト対象外になりましたが、僕たちは表彰されるよりも今回きれいに飛ばせたことの方がうれしいです。何と言っても完成した飛行船フライトシステムを、こんなに広いところで試すことができたのは、初めてでした。その初フライトで予想通りの飛行をさせることができたことがうれしくて感激しました。
もしかしたら、これが情報処理学会での飛行船競技のラストフライトになるかもしれません。しかしながら、難しいけれども大変面白いので、空間を制覇するロボット競技会はどこかで形を変えてでも継続か創設していただけるとありがたいです。
    YSEの教室での飛行練習       ハートフルルーム希望が丘の卓球室での飛行練習

テストは部分的なテストしかしていなくても、システムとしてちゃんと作っていればちゃんと動く。・・・ことを証明できました。YSEのようなスペースに余裕のない小さな学校でも、大きな学校にちゃんと太刀打ちできる。このことを後輩たちに伝えて自信を持たせたいです。
飛行船競技は9年間つづいたようですが、YSEは今年で5年目のチャレンジでした。最初は支給されたハードウエアを動かすのでやっとこさでしたが、今では飛行船も地上USセンサーシステムも、ハードウエアもソフトウエアも自前のものを使っています。通信の仕組み、センサーの仕組み、モータの動かし方、飛ばし方、ソフトウエアでの制御、・・・最初は???であったことも、一つ一つものにしていき、今ではすっかり技術を消化吸収できました。
つまるところ、僕たちのやってきたことは、次のようなことです。
1)難しい制御も、理論から入らずに、目の前の現象から入って、現象を引き起こす実体をつかんでしまえば、ちゃんと理解して使いこなせる。わからなければデータに聞け。
2)すごい技能もエンジニアリングで技術にできる。技術にしてしまえば後輩に伝え継承ができる。後輩が学んで消化吸収してしまえば、さらにもっといいものが生まれてくる。

YSE-PBLは、受身になりがちなLearning(ラーニング:学習)よりは主体性重視のStudy(スタディ:)を中心にしているので、YSE-PBS(Project Based Study)と呼んだ方が実態に合っているように思います。YSE-PBSの課題挑戦型プロジェクト教育というのは課題を解決して終わりという短距離競走ではなく、次へ次へと挑戦していく箱根駅伝のタスキリレーに似ています。
僕たちは、既存の枠にとらわれないチャレンジをしていきます。まだまだ先は長く、もっともっと進化します。合言葉は、「まずはやってみよう。どうせやるなら楽しんでしまおう。僕たちが目指すのは、MITメディアラボのような驚きと、ディズニーランドのようなファンがあるスクール」です。
 

to_yse_mr.jpg

コメント